Q&A APRIL 2019

KARIMOKU FURNITURE

AICHI

Q&A

カリモクの起源は、創業者の加藤正平が長年続く材木屋を引き継ぎ、愛知県刈谷市で小さな木工所を始めた1940年に遡ります。様々な木製品を生産することで技術を磨き、1960年代に入ると、自社製の木製家具の販売を開始しました。
HIROSHI KATO — VICE PRESIDENT
「カリモク」とはどういう意味ですか?

カリモクは、2つの単語による造語です。「カリ」は我々の創業の地である愛知県刈谷市から、そして「モク」は木材から来ています。つまりこの名前は、我々のアイデンティティそのものとも言えます。私の故郷と、私の好きな素材である木材の両方が入ったこの社名を、とても気に入っています。

会社設立の経緯を教えてください

私の祖父である加藤正平が、自宅で小さな木工所を始めたのが1940年のことです。当時は、従業員とともに紡織機やピアノなどの木製パーツを作っていました。1950年代に、ある米国の家具メーカーが日本のサプライヤーを探していた時、祖父は彼らと仕事をすることで、西洋風の家具の作り方を学ぼうと決意します。日本の生活様式が、急速に西洋化していくのを感じていたためです。幸いなことに、カリモクの所在地はトヨタ自動車本社の非常に近くにあり、生産効率を高めるために同社が確立した「トヨタ生産方式」からも多くを学びました。それまで、この地域には木を扱う職人がほとんどいなかったのですが、トヨタ生産方式を取り入れたことで、アマチュアだった従業員たちが専門性を持ったプロ集団へと成長していったのです。様々な課題に挑戦し、多くの関係者から学ぶことで、カリモクは着実に事業を拡大してきました。

カリモクの哲学とは?

私たちのモットーは「品質至上」です。単なる消費者向け工業製品にとどまらなず、お客様が強い愛着を感じる木製家具を作りたいと考えています。私たちが家具作りに使うのは、50年から100年の歳月をかけて育った木々です。そのことを常に意識しつつ謙虚であるべく努め、100年以上愛されるような、長持ちする家具を作りたいと思っています。

このブランドを通じて目指したいこととは? メインのブランドにどんな付加価値を与えることになると思いますか?

カリモクケーススタディは、家具デザインの新たな手法をもたらすと同時に、私たちのビジネスチャンスを広げることにもつながると考えています。カリモクケーススタディでは、ドアや窓、ハンドルなど、家具と調和した空間作りのために重要な木製のインテリアも手がけていきます。これらは、空間をより良いものにするために、家具同様に重要な要素です。いずれは、こうした木製インテリアも提供していきたいと考えています。

カリモクケーススタディにおける家具づくりの出発点は、今日の家具づくりの手法とは全く異なるものです。ここでは、デザインや家具作りを始める前に、それぞれのユーザーが暮らす理想的な空間の姿を描く必要があります。カリモクケーススタディは私たちに、家具づくりに対する新たな視点を与えてくれるでしょう。それがきっと「私たちは何のために家具を作っているのか?」という問いに対する、正しい答えを導いてくれるのです。

カリモクケーススタディの背後にある哲学とは?

ノーム・アーキテクツの「ソフト・ミニマリズム」。そして、芦沢啓治氏の「正直なデザイン」。この価値観をブランドのベースとして100%尊重しながら、ケースごとに最もふさわしい家具や木製品を作ることに最善を尽くします。カリモクケーススタディを通じ、良質な暮らしに欠くことのできない家具の本質的な価値を示していきたいと考えています。

カリモクは他の家具メーカーとどう違うのでしょう?

他の家具メーカーと比べて、いくつかユニークな点があると思います。第一に、私たちの家具は全て、愛知県と岐阜県にある自社工場で作られています。そして、ある工場ではダイニングチェア、別の工場ではクッションの張り地、といった具合に、各工場がそれぞれのカテゴリーに特化しています。私たちがビジネスを始めた当初からこの手法を取っているのは、安定的かつ効率的に、最高品質の家具を作りたい、という思いからです。

私たちは確かな品質の木材を調達し、全ての製造工程を自ら管理しています。こうすることで、私たちは家具に使われる木材の品質を保証しています。違法伐採された木材は一切使いませんし、森林の状況に常に気を配り、持続可能性が保たれていることを確認しています。

また、私たちは「ハイテク&ハイタッチ」という製造コンセプトを掲げ、高度な機械加工技術と職人の技を融合させる、理想的なバランスを追求してきました。私たちが作りたいのは、日本の美意識に貫かれた、丹念に作り込まれた工業製品なのです。

木製家具のブランドとして、どのような変化を遂げてきましたか?

ここ10年の間に、いくつかの新しいコレクションを発表してきました。これは、我々のオープンで革新的な取り組みの結果と言えます。「カリモクニュースタンダード」(KNS)では、国際的に活躍するデザイナーたちと協働し、独自のデザインを生み出しました。KNSは、家具を作ることに対して、新たな概念とアプローチを打ち出しています。特徴的なのは、最高品質の家具を作ることだけでなく、社会問題を解決することにも力を入れていることです。日本国内の広葉樹はこれまで、高品質の家具を製造するのには向かないと見なされてきたわけですが、KNSではこれを利用して高品質の家具を作り、地元の林業活性化を支援したいと考えています。ビジネスチャンスが広がることで、地元の林業従事者が安定した暮らしを手に入れ、森林がきちんと手入れされた状態となることが私たちの願いです。若く才能のある人々と仕事をし、ともに成長してきたことも、KNSの素晴らしさと言えるでしょう。

また、ミラノを拠点とするデザインスタジオ「イノダ&スバイエ」(デンマーク出身のニルス・スバイエと日本出身の猪田恭子によるスタジオ)とは、KUNST(デンマーク語で「アート」の意)コレクションを発表しました。こちらは、KNSとは全く異なるデザインやスタイルになっています。

私たちは、日本とデンマーク双方の伝統的な美意識に敬意を払いつつ、最先端の木材加工技術と、職人の技とを取り入れてきました。私たちカリモクは、ますます多様な価値観を提供するようになっています。

カリモクのビジョンについて教えてください

かつて私たちは、最高品質の木製家具を作ることだけを考えていました。 素晴らしい木製家具を作ることに誇りを持ち、生産システムを改善し続けることについては今でも変わりありませんが、家具作りを超え、市場とのコミュニケーションを改善することにも力を入れています。 商品を提供するだけでなく、その背景にあるストーリーや哲学、情熱も伝えたい。より良い家具を作ることが私たちの核心にありますが、それだけでは足りないのです。 私たちの究極の目標は、自社の良質な家具が空間そのものの質を高め、人々がより幸せとなる一助となることです。この目標を達成するために、私たちは、木製家具作りにかける私たちのノウハウとスキルを役立てたいと思っています。

Q&A

カリモクの起源は、創業者の加藤正平が長年続く材木屋を引き継ぎ、愛知県刈谷市で小さな木工所を始めた1940年に遡ります。様々な木製品を生産することで技術を磨き、1960年代に入ると、自社製の木製家具の販売を開始しました。
HIROSHI KATO — VICE PRESIDENT
「カリモク」とはどういう意味ですか?

カリモクは、2つの単語による造語です。「カリ」は我々の創業の地である愛知県刈谷市から、そして「モク」は木材から来ています。つまりこの名前は、我々のアイデンティティそのものとも言えます。私の故郷と、私の好きな素材である木材の両方が入ったこの社名を、とても気に入っています。

カリモクは他の家具メーカーとどう違うのでしょう?

他の家具メーカーと比べて、いくつかユニークな点があると思います。第一に、私たちの家具は全て、愛知県と岐阜県にある自社工場で作られています。そして、ある工場ではダイニングチェア、別の工場ではクッションの張り地、といった具合に、各工場がそれぞれのカテゴリーに特化しています。私たちがビジネスを始めた当初からこの手法を取っているのは、安定的かつ効率的に、最高品質の家具を作りたい、という思いからです。

私たちは確かな品質の木材を調達し、全ての製造工程を自ら管理しています。こうすることで、私たちは家具に使われる木材の品質を保証しています。違法伐採された木材は一切使いませんし、森林の状況に常に気を配り、持続可能性が保たれていることを確認しています。

また、私たちは「ハイテク&ハイタッチ」という製造コンセプトを掲げ、高度な機械加工技術と職人の技を融合させる、理想的なバランスを追求してきました。私たちが作りたいのは、日本の美意識に貫かれた、丹念に作り込まれた工業製品なのです。

会社設立の経緯を教えてください

私の祖父である加藤正平が、自宅で小さな木工所を始めたのが1940年のことです。当時は、従業員とともに紡織機やピアノなどの木製パーツを作っていました。1950年代に、ある米国の家具メーカーが日本のサプライヤーを探していた時、祖父は彼らと仕事をすることで、西洋風の家具の作り方を学ぼうと決意します。日本の生活様式が、急速に西洋化していくのを感じていたためです。幸いなことに、カリモクの所在地はトヨタ自動車本社の非常に近くにあり、生産効率を高めるために同社が確立した「トヨタ生産方式」からも多くを学びました。それまで、この地域には木を扱う職人がほとんどいなかったのですが、トヨタ生産方式を取り入れたことで、アマチュアだった従業員たちが専門性を持ったプロ集団へと成長していったのです。様々な課題に挑戦し、多くの関係者から学ぶことで、カリモクは着実に事業を拡大してきました。

カリモクの哲学とは?

私たちのモットーは「品質至上」です。単なる消費者向け工業製品にとどまらなず、お客様が強い愛着を感じる木製家具を作りたいと考えています。私たちが家具作りに使うのは、50年から100年の歳月をかけて育った木々です。そのことを常に意識しつつ謙虚であるべく努め、100年以上愛されるような、長持ちする家具を作りたいと思っています。

木製家具のブランドとして、どのような変化を遂げてきましたか?

ここ10年の間に、いくつかの新しいコレクションを発表してきました。これは、我々のオープンで革新的な取り組みの結果と言えます。「カリモクニュースタンダード」(KNS)では、国際的に活躍するデザイナーたちと協働し、独自のデザインを生み出しました。KNSは、家具を作ることに対して、新たな概念とアプローチを打ち出しています。特徴的なのは、最高品質の家具を作ることだけでなく、社会問題を解決することにも力を入れていることです。日本国内の広葉樹はこれまで、高品質の家具を製造するのには向かないと見なされてきたわけですが、KNSではこれを利用して高品質の家具を作り、地元の林業活性化を支援したいと考えています。ビジネスチャンスが広がることで、地元の林業従事者が安定した暮らしを手に入れ、森林がきちんと手入れされた状態となることが私たちの願いです。若く才能のある人々と仕事をし、ともに成長してきたことも、KNSの素晴らしさと言えるでしょう。

また、ミラノを拠点とするデザインスタジオ「イノダ&スバイエ」(デンマーク出身のニルス・スバイエと日本出身の猪田恭子によるスタジオ)とは、KUNST(デンマーク語で「アート」の意)コレクションを発表しました。こちらは、KNSとは全く異なるデザインやスタイルになっています。

私たちは、日本とデンマーク双方の伝統的な美意識に敬意を払いつつ、最先端の木材加工技術と、職人の技とを取り入れてきました。私たちカリモクは、ますます多様な価値観を提供するようになっています。

カリモクのビジョンについて教えてください

かつて私たちは、最高品質の木製家具を作ることだけを考えていました。 素晴らしい木製家具を作ることに誇りを持ち、生産システムを改善し続けることについては今でも変わりありませんが、家具作りを超え、市場とのコミュニケーションを改善することにも力を入れています。 商品を提供するだけでなく、その背景にあるストーリーや哲学、情熱も伝えたい。より良い家具を作ることが私たちの核心にありますが、それだけでは足りないのです。 私たちの究極の目標は、自社の良質な家具が空間そのものの質を高め、人々がより幸せとなる一助となることです。この目標を達成するために、私たちは、木製家具作りにかける私たちのノウハウとスキルを役立てたいと思っています。

このブランドを通じて目指したいこととは? メインのブランドにどんな付加価値を与えることになると思いますか?

カリモクケーススタディは、家具デザインの新たな手法をもたらすと同時に、私たちのビジネスチャンスを広げることにもつながると考えています。カリモクケーススタディでは、ドアや窓、ハンドルなど、家具と調和した空間作りのために重要な木製のインテリアも手がけていきます。これらは、空間をより良いものにするために、家具同様に重要な要素です。いずれは、こうした木製インテリアも提供していきたいと考えています。

カリモクケーススタディにおける家具づくりの出発点は、今日の家具づくりの手法とは全く異なるものです。ここでは、デザインや家具作りを始める前に、それぞれのユーザーが暮らす理想的な空間の姿を描く必要があります。カリモクケーススタディは私たちに、家具づくりに対する新たな視点を与えてくれるでしょう。それがきっと「私たちは何のために家具を作っているのか?」という問いに対する、正しい答えを導いてくれるのです。

カリモクケーススタディの背後にある哲学とは?

ノーム・アーキテクツの「ソフト・ミニマリズム」。そして、芦沢啓治氏の「正直なデザイン」。この価値観をブランドのベースとして100%尊重しながら、ケースごとに最もふさわしい家具や木製品を作ることに最善を尽くします。カリモクケーススタディを通じ、良質な暮らしに欠くことのできない家具の本質的な価値を示していきたいと考えています。